=がん発症・再発をNLRで予測=

《先進的がん三次予防は、炎症マーカーNLR測定と合わせて自身の免疫細胞の育成と活性化》

 

がん治療後の予防に、炎症マーカーNLR(好中球/リンパ球比率)が非常に重要な指標になります。好中球は主に急性期、リンパ球は慢性期の炎症に関与しています。2つの細胞は免疫機能の指標としてだけではなく、「炎症」の指標としても用いられ、NLRが臨床では有用です。 NLRは通常 1.3~3.3程度ですが、高値を示せば、それだけ「炎症」の程度が重いということを示しています。また、進行しているがんにおいて、がん増殖で増える好中球に対してがん攻撃するリンパ球の減少をNLR高値で示すことが知られています。

 

いづれにしても、リンパ球は免疫細胞(樹状細胞、細胞傷害T細胞、NK細胞など)であり、がん細胞を攻撃する形で役割を果たします。以下に、リンパ球数とNLRががん治療や予防においてどのような意味を持つかを説明します。

 

1. 免疫力の指標: リンパ球群は、がん細胞を攻撃する役割を果たします。リンパ球数が最低でも1,000個以上は必要で、さらに活性化されたリンパ球が必要となります。数と活力の強いほど、身体の免疫力が高いとされ、がん細胞に対する防御力が強いと考えられます。

2. 治療効果の予測: リンパ球数やNLRは治療の効果を予測するための指標としても使用されます。例えば、NLRが高い場合、リンパ球が減少していることを表わし予後(病気の経過)が悪いとされることがあります。

3. 治療の副作用の評価: 抗がん剤治療や放射線治療はリンパ球数を減少させることがあります。リンパ球数が減少すると、免疫力が低下し、感染症のリスクが高まるため治療の中断が余儀なくされることから、治療中のリンパ球数やNLRのモニタリングは重要です。

4. 再発リスクの評価: リンパ球数の低値、NLRの高値だと、がんの再発リスクが高まる可能性があり、悪化、短命化が懸念されます。リンパ球数が高値、NLRが低値は、再発のリスクが低く、治療後の生存率が高いとされています。

5. がん抗原提示の評価がんは免疫逸脱を発揮して免疫細胞の攻撃から逃れて増殖したものであることから免疫逸脱の解除もしくはがん細胞を抗原(免疫細胞の敵)とみなす抗原提示細胞(樹状細胞)の役割を回復となることががん戦略に大切となります。

 

がん予防において、リンパ球数とNLRを適切に管理し、免疫力を維持することが重要です。合わせて、適度な運動やバランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスが極めて少ないなどの習慣は免疫力を高めるために役立ちます。

「NLRがん予防」はNLR測定、リンパ球の育成、リンパ球の活性化の3つをがん三次予防の根幹として取り組んでいます。NLRの安定、リンパ球数の確保、リンパ球の活性化はがん増殖、再発の無い状態のバロメーターになります。また、いずれのがん治療においても良好な治療ベースになります。

NLR測定は、自己採血を使っての自己検体測定を行うことから日常的に安心して取り組めます。

 

自己検体測定は臨床検査技師がお教えする形で行い慣れてこられたらがん征圧へのモチベーションを高めためにも独自に行われることも良いと思います。また、臨床検査技師がお手伝いして自己検体測定を継続されるのも良い考えます。いづれにしましても、がん征圧へのモチベーション向上はコンフォート・ゾーン(安心できる/自分のコントロール下)やホメオスタシス(生体が変化を拒み、一定の状態を維持)に関わり前向きながん抑制となる生活習慣の形成につながります。

 

人にとってイメージは大きく影響します。NLRは視界(血球像)を通じてのイメージでありますが、後ほど紹介しますマイルド入浴も生理的な温熱効果で免疫細胞アクティベーション効果を発揮しますが、合わせてのイメージもコンフォート・ゾーンとホメオスタシスにも該当します。

 

「NLRがん予防」