がん再発の対策に何を行っておられますか?
定期的にがん検診、健康的な生活習慣の維持、免疫の向上、ストレス管理、医師が行う各種治療などがありますが?

 

当方では、発がんに繋がる慢性炎症を調べ早期発見の手がかりに好中球とリンパ球比(NLR)の自分検査を勧めています。

 

なぜならば、慢性炎症を手づかずに放っておき、がん微小環境に一貫して存在していると、がん進行(浸潤および転移)が促進されることが報告されているからです。

自らが、月1回のNLR自分測定を行いがん再発の早期発見に活用します。

 

血液中の白血球は、骨髄(骨の中心)で生成される好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球に分類されます。これらの5種類の白血球が全体の中でどれくらいの割合になるかを示したものが白血球分画(白血球分類・末梢血液像・ヘモグラム)と呼ばれています。

 

NLRは、体内の炎症反応を反映し、急性炎症(好中球)や慢性炎症(リンパ球)の炎症状態を示すマーカーとされています。

 

NLRは、好中球数をリンパ球で割ることで慢性炎症を示します。

 

下記は、《【いまさら聞けないがんの基礎3】 がんと微小環境の関係とは?》より引用

https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/cancer3

前がん期は、細胞の成長および生存に必要な経路の活性化をもたらすゲノム異常を特徴とします。微小環境には、急性損傷に対する組織反応に類似するプロセスを介して腫瘍形成表現型をさらにサポートおよび促進する免疫細胞が含まれます。慢性炎症イベントが野放しで、腫瘍微小環境に一貫して存在していると、腫瘍進行(浸潤および転移)が促進されます

多くのがん種において、NLRが高い患者は低い患者と比べて予後が悪い傾向にあることが報告されています。

 

参考資料
白血球比率の高値が早期乳がん再発の高リスクと関連
閉経前、腋窩リンパ節へのがん転移(N1)およびNLR高値が独立して再発のリスクと関連していることが見出された。
 

https://www.cancerit.jp/gann-kiji-itiran/nyuugann/post-38229.html(リファレンス)

 

大腸がんの手術前の「NLRが4以上の高値群」は、低値群に比べて全生存期間や無再発生存期間が短くなり、予後の予測因子として有用であるとの報告があります。 

好中球/リンパ球比は大腸癌根治切除例の予後予測因子として有用【外科学会2012(日経メディカル) 

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jss2012/201204/524446.html

  

切除不能進行・再発大腸癌における好中球/リンパ球比の意義について
NLR
は切除不能進行・再発大腸癌症例において有用な予後予測マーカーである可能性が示唆された。
 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/69/3/69_154/_pdf 

 

がんサバイバーは慢性炎症を見逃さない! 
がんにおけるNLRの役割は、予後予測のマーカーとして使われますが、炎症はがん発症の要因となることが明らかであると言われていることからがんサバイバーは慢性炎症のくすぶりを見逃すことなくある意味、がん発症の予測と捕らえ慢性炎症を精査してがん早期発見に活用します。
 

がんサバイバーの慢性炎症を見逃さないNLRカットオフ値 
ここでのカットオフ値は慢性炎症の陽性と陰性を鑑別するための数値をいいます。がんサバイバーにとって慢性炎症は厄介な症状で、なぜなら、前述したように、炎症はがん発症の要因となることが明かとなっていることからであってがん再発の懸念からシビアに見なければなりません。 

がん治療後の予後に使われるNLRのカットオフの多くは「>2.77〜>5.0」の間で研究されています。いづれにしてもカットオフ値を

超える症例は全生存期間や無増悪生存期間が比較されることになります。 

がんサバイバーの慢性炎症を対処したカットオフ値は見当たらないことから、先の様々ながん治療後のNLR高値群は予後不良であった前述に見られるカットオフ値(>2.77~> 5.0を考慮して臨床検査のバイブルとして全領域カバーしている「臨床検査提要」の好中球(Neutrophil)とリンパ球(Lymphocytes)NL2.5以上は病的としていることを根拠にして、がんサバイバーの慢性炎症察知指数にNLRのカットオフ値を「>2.5」としました。また、ストレス(交感神経緊張)などによる生理的にNLRが高くなることが見られることから>2.5が3ヶ月続き炎症の疑いが見られたら担当医に赴きNLR値を精査していただき慢性炎症が見られるようであれば慢性炎症の根源を調べると同時にがん検診を受られる事も視野に入れなくてはならないと考えます。 

 

診察に赴くカットオフモデル例 

例1.平素のNLR値が>3.0と高いことが確認できれば直ちに「受診/精査」 

例2.平素のNLR値<2.5が>2.5となり3ヶ月つづいた「受診/精査」 

例3.平素のNLR値<2.5が>2.5となり次月<2.5になった「受診なし」 

例4.平素のNLR値<2.5が>2.5となり2ヶ月つづき次月<2.5になった「受診なし」 

上記のモデルが全てではなく気になる数値や動きが見られたら迷うことなく担当医に相談ください。 

 

自らがん再発の早期発見に努める 

私たちの健康診断や人間ドックの受診は、無症状の隠れた病気の早期発見に限らず、将来発症する可能性のある未病気を未然に予防する大きな役目があります。 

また、私たちが、痛みや発熱やケガや身体に異変を感じたら医療機関に赴き受診を受けます。 

がんサバイバーが、自らがNLRを検査して医療基準値と比較してNLRの高値を確認できたら慢性炎症を予見して担当医に受診を求めNLR高値を精査して無症状の隠れた病気の早期発見に努め将来発症する可能性のあるがん再発を未然に予防する大きな役目があと考えます。