痛みには大きく分けて3つの種類があります。
けがなどの痛みでの「侵害受容性疼痛」神経自体が損傷して直接痛みが起きる「神経障害性疼痛」
そして社会的要因等で何らかの理由で脳自体で痛みを感じている「心因性疼痛」の三つの種類です。
痛みは体の緊張を高め交感神経という、自律神経の中で体の緊張を高める神経が興奮します。そのため血管が収縮し、筋肉の緊張も高まり血流が悪化します。血流の低下が持続すると徐々に組織が酸素欠乏となり、その影響で新陳代謝が悪化し組織が障害されていきます。組織が障害されると各種発痛物質が産生され、これらが痛みを誘発するようになります。
慢性的な痛みがある場合には、多少なりともこのような悪循環が起きている事が多いようです。
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慢性痛及び不明痛を解消に働く7つの鎮痛作用
●痛みの悪循環を知る
ピンなどで皮膚を刺激しますと、皮膚にある痛みを感じる受容器から痛みは脊髄に入り上行して脳に達して痛みを感じます。通常の痛 みはこれで治まりますが、原因によっては一部の痛みは脊髄の反射路を介して、交感神経を介してアドレナリンが分泌され、血管を収縮し、脊髄反射により運動神経が興奮して筋緊張が生じて、やはり局所で血流障害を起し、代謝で出来た産物の蓄積や組織の酸素欠乏を招きます。
その結果、局所で痛みを発生させる発痛物質を作る原因となります。この発痛物質が痛みを感じる受容器を刺激して新たな痛みを作ります。本来の外からの痛みが消失しているにもかかわらず、新たに作られた内因性の発痛物質によって痛みを繰り返して破線の時計回りの「痛みの悪循環」が形成される事になります。この悪循環を止めないと痛みはなを一層に増大し、遂には視床部の中枢を刺激し、からだ全体が異常状態に落ち込む事になります。
痛みを起す発痛物質には、ブラジキニン、プロスタグ ランジン、セロトニン、カリウムイオン、ロイコトリエン、補体などがありますが、痛みを起こす主になるのはブラジキニンで、プロスタグランジンやセロトニンはどちらかというとブラジキニンの痛みを増強させる作用があります。いずれにしても、痛みを止めるのは、痛みを伝える回路のどの部分でもいいですからブロックできれば痛みは止めることができます。
●温熱の七つの痛みの緩和力
温熱療法には七つの特有な痛みを緩和する作用があります。原因が分からない慢性の痛みなどにあきらめず試されることをお勧めします。
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「身体メンテナンス入浴」による効果シュミレーショウン
その効果の流れは、疼痛(とうつう)と痙縮(けいしゅく)も同じ様で、例えば「身体メンテナンス入浴」であれば入浴は1日1回又は週数回をお勧めします。入浴後、3時間程度、疼痛や痙縮の抑制の効果が期待できことから、保温後、1時間程度からだを休めて、1~2時間程度の外出なりリハビリなどを試みてください。
「身体メンテナンス入浴」実施例
・体調が良い場合 半身浴、又は全身浴で3~5日間の高加温
・体調が少し悪い場合 半身浴、又は全身浴で3~5日間の快加温
・かなり体調が悪い場合 半身浴、又は全身浴で3日程度の快加温又は1日おきに3~5日間
*痛みがコントロールできるようになったら、痛みが強くなる前に加温を加えて痛みをコントールします。
*痛みの緩和効果には個人差があります。