がんサバイバーには慢性炎症は‘邪気’であり見逃せない!見逃さない!
慢性炎症を見逃さないNLRカットオフ値
NLRは、好中球数とリンパ球数の比率を示し、炎症反応や免疫応答を反映するマーカーとして位置付けされています。慢性炎症は、がんや感染症、慢性疾患などの重症度や予後を評価するために広く使われています。NLRの上昇は、腫瘍微小環境の炎症と関連が深く、慢性炎症による酸化ストレスはDNA損傷を細胞内に蓄積 し,これはがん発症を誘導する要因の一つとなっています。
がんに関わる慢性炎症は、慢性炎症ががん発症の起因となる場合と、がん自体が慢性的な炎症を引き起こす場合があります。さらには、がんを有しない慢性炎症も存在します。
がんサバイバーにとって慢性炎症は迷惑な存在で、前述したように、慢性炎症はがん発症の起因となることからがん発症・再発の早期発見を目的にNLR値の動向による慢性炎症のシビアな監視が必要となります。
いずれにしても、NLRのカットオフ値をいくらに設定するのかが論点ですが、現状としてはNLRの上昇の原因と区別を行うと共にがん検診の手配が大切となります。
繰り返しますが、がん種の治療後の予後の見極めに使われるNLRのカットオフ値の多くは「>2.77〜>5.0」の間で研究されています。カットオフ値を超える症例を全生存期間や無増悪生存期間の比較に活用されています。
「例」
切除不能進行・再発大腸癌における好中球/リンパ球比の意義について
切除不能進行・再発大腸癌における好中球/リンパ球比の意義について 第69巻03号0154頁 (jst.go.jp)
白血球比率の高値が早期乳がん再発の高リスクと関連―ESMO Openプレスリリース
https://www.cancerit.jp/gann-kiji-itiran/nyuugann/post-38229.html
がんサバイバーのがん発症・がん再発を目的とした慢性炎症の適切なNLRカットオフ値が見当たらないことから、臨床検査のバイブルとされる「臨床検査法提要」に記載されているNLR正常値1.3~1.9と2.5以上は病的としているものと、がん治療後の予後の評価に見られるカットオフ値(>2.77~>5.0)を参考にして、明確な症状が現れない慢性炎症を事前に捕らえる発見カットオフ値として「>2.5」と設定しました。
但し、事前の対処として
ストレス(交感神経緊張)などによる生理的にNLRが高くなることが見られることからストレス解消処置を講じても>2.5が3ヶ月続き慢性炎症の疑いが考えられたら、がん早期対処例をかんがみて自ら担当医に赴きNLR値を精査していただき慢性炎症が確認できれば慢性炎症の原因を調べると合わせてがん検診を受ける事も視野に入れた対処になると考えます。他のケースでのNLR上昇には下記の「表」を参考に対処してください。
「表」 慢性炎症の疑いを評価したNLR値でがん予防の強化.pdf
NLR高値持続の対処
ステップ1
NLRの普段の数値と比較して高値を呈し,かつ、自覚症状が見られことなく続くようであれば、予防の観点から自らの判断で担当医に受診を申しでます。
ステップ2
慢性炎症でも発がんに至る場合と至らない場合があり、そのメカニズムは解明されていません。そのため、慢性炎症の原因が特定できない場合は、がんリスクを考慮してがん検診を受けます。
いづれにしましても、がんサバイバーは理に適った対処は必然と考えます。
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